はるかぜのおもいで

日々諸々記録故。日々気の向くままに描いた漫画やイラストの備忘録。ドラえもん、カービィ、高木さん、ポケモン多目。時々ディズニー。

【ネタバレ有り】「のび太の絵世界物語」感想【映画ドラえもん2025】

今年もこの季節がやってきました、春休みはドラえもん!!

2025年の映画ドラえもんは「のび太の絵世界物語」

映画ドラえもん45周年記念作です。

あと五年で映画ドラえもんも50周年か‥なんとも遠くに来たものです‥

私はもう三十年近く映画館でドラえもんを観てきた人生なので、ここまで来たら何処までもついていくしかない

 

さて、2025年今年の映画ドラえもんの感想ですが、ただただ一言「素晴らしい‥!

映画の感想のまず一言目が「面白かった!」「楽しかった!」ではなく、「素晴らしい‥!」であることに自分でも驚いてます

 

今年の映画ドラえもんを未視聴な方が、もし何かのはずみで間違えてこの記事を見ているようでしたら、今すぐこのページを離れて、映画ドラえもん公開劇場ページに飛び座席予約をしてください。

ドラえもん好きは、今年の映画ドラえもんをなんとしても時間をつくって観てください!」この記事にはそれ以上の内容はございません!!

 

ここからネタバレを控えず、好きなものを大好きだ〜って思って書いていきますので、これから観る方はご注意をお願いします。サンキューマイロくん

 

‥感想記事なんて何年ぶりでしょうか。というかそもそもブログ記事更新自体1年ぶりくらいです。

それだけこの映画に対する想い、激重感情をを何処かに発散しないと収まりきらない作品だったのだろうなと‥

 

 

ということで、「絵世界物語」の感想はじまりはじまり

 

ヘタッピドラえもん

のび太がヘタッピドラえもんの絵の中に入る展開、考えた人天才か??

 

のび太が自分の描いた絵の中に入った瞬間、もう頭の中は「素晴らしい‥素晴らしい‥」という感情がリフレインして止まりませんでした

まだヘタッピドラえもんが登場してないのに、「いやもうこれ最高の映画じゃん」ってなってました

この展開で、もしヘタッピドラえもんが登場しなかったら、感情おかしくなってたかも

 

世界滅亡の絶体絶命のピンチの中、自分が描いた絵の中にのび太が入ってしまうというのが、まずその手があったか!と予想できなかった展開だったのに、入った瞬間「理解」してしまってもう涙が止まらない

いやぁ!初めての映画体験でした

アベンジャーズエンドゲーム以来の初めての映画体験

 

これ、絶対絵の中のドラえもんが助けてくれるじゃん!のび太が「大好きだ〜」って描いた絵のドラえもんが助けてくれるじゃん!のび太の大ピンチに!それを打開するとっときのひみつ道具を出して!!

のび太が絵の中に落ちた瞬間、一瞬でそこまで理解して涙が溢れて止まらない。別に泣かせ演出は全く無いにも関わらず‥!

 

そうだよ!のび太を助けてくれるのは何時だってドラえもんなんだ!しかもそのドラえもんは、のび太が大好きだって気持ちを込めた絵のドラえもん!!

もうのび太ドラえもんが愛おしくて止まらなくならざるを得ない。

のび太ドラえもんのことをどれだけ想ってるかを、ここまで描写できる神展開他にあります??

いやぁ、もう素晴らしいと言う他無い

 

「絵」というテーマの中で、「良い絵を描くには?」という問に対して「大好きを表現することだよ」というシンプルかつ愛に溢れた回答を、ドラえもんという作品でしかできない「日常の中の非日常の冒険」を通して、のび太ドラえもんに対する想いを描写することで表現する映画‥

 

そりゃあこの脚本で面白くないわけがない‥

 

寺本幸代監督

さて、今作はストーリー脚本が素晴らしいのは確かですが、やっぱり年期あるドラえもんファンとしては、寺本幸代監督の久々の担当作であることを避けては語れないかと。

 

寺本幸代監督の映画ドラ担当作は「新魔界大冒険」「新鉄人兵団」「ひみつ道具博物館」の3作品になります

どれも評価は高いのですが、とりわけ「ひみつ道具博物館」はファンの間ではよく語らることが多い印象です。

 

ひみつ道具博物館」はそれだけ当時衝撃作品でした。

ぶっちゃけ当時の原作無しオリジナル脚本の映画ドラえもんは、あまり期待されてなかった記憶があります。

キャラはブレることが多いし、謎のパワーで解決するというドラえもんらしからぬ展開も多かったし。

そんな中「ドラえもんのび太が初めて友達になった日」という原作にも描かれたことがないシーンを描いたのにも関わらず、なおかつ映画の核心にも上手くハマらせ、「ドラえもんならそう言うよな」と原作ファンをも納得させた凄い映画です。

 

だって、のび太が「初めて友達になった日を覚えてる」ことをドラえもん伝えるために、照れながら初めて友達になった日の再現をすると、ドラえもんが嬉しそうにそれに答えるラストシーン、あんな多幸感あふれるラストの映画ドラえもん他にないでしょ!?

 

そういえば、「ひみつ道具博物館」の映画見終わった後も、「素晴らしかった‥」という感情で埋め尽くされていたな‥

 

そう、寺本監督はキャラクターの感情表現が上手く、キャラクターが幸せな気持ちになると視聴者我々も幸せな気持ちにさせるのが抜群に上手いんだと思います。

 

今回の映画は寺本監督のそういったうまさと脚本もマッチして満足度が底上げされたんじゃないかなと

 

ここで唐突に煩い原作ファンとしての意見ですが、

個人的には寺本監督ののび太ドラえもんの関係性像は、原作とはちょっと違くないかな、思っています。

 

原作ののび太は、ドラえもんのことが大好きなのはもちろんですが、ただ「好き好き大好き!」というわけではなく、いろんな困難を一緒に乗り越え、どんな時もそばにいて助けてくれたからこそ、「ドラえもんに何かがあれば自分の身も厭わず助けたい」と思える親友だと考えてると解釈しています。

どちらかというと、男と男の関係性。ドラえもんとは?聞かれると、のび太は照れずに「親友さ」と即答でき、でもお互いがお互いをどう思っているか今更言い合うことはないけど、通じ合っていて大切に思ってるんじゃないかなと

 

対して寺本監督ののび太は、ドラえもん好き好き大好き!で普段は好きすぎて甘えが出ちゃう。こどもらしい純粋な好きで埋め尽くされている印象です。

これはこれで一つのドラのびの関係性の一つだし、そういう時期もきっとあったんだろうな、と解釈はしているので違和感はないんですが。

でもそういうところが、寺本監督作がよく「二次創作っぽい」といわれる所以ではないかと思います

 

原作ドラえもんも長期連載なので、ふたりの関係性も少しずつ変わってますしね。

自分の上記の原作解釈は、あくまで原作終盤のふたりの関係性なので。

原作終盤のドラえもんのび太は、きっとひみつ道具博物館のラストみたいに照れながら鈴を合体はしないだろうなーとは想いますが、原作初期〜中盤くらいならするかもな〜程度です。

 

‥脱線しましたが、そんなピュアなドラのびの友情を描かせたら寺本監督は天下一品だと思います。

そんな監督が、のび太の「ドラえもんのことが大好き」を表現した絵の話を作るんだからベストマッチだったかと。

 

あと演出面で言うと、寺本監督は、細かくシーン毎にギャグを入れてるところが芝山監督みを感じて好きです!

なんの文献か忘れたんですが、芝山監督は子供たちが飽きないように、五分に一回はギャグを入れてると仰ってました。

ドラえもんは基本子供向けのギャグ漫画ですからね

今作のジャイアンがクレアを引き上げるギャグ、大好きです。

 

 

映画ドラえもんに求める要素

あと、この映画で改めて気づいたんですが、自分はやっぱりドラえもんのレギュラーキャラクター同士が掛け合い、成長や一歩踏み込んだ何かがあることを映画ドラえもんに求めてるみたいです。

 

・すこしふしぎなワクワクする冒険

・地に足がついたそれっぽい似非科学時代考証がある冒険の舞台

・窮地を脱する個性豊かなひみつ道具

・伏線回収による物語の問題解決 

・魅力的なサブキャラ

 

映画ドラえもんに求められる要素は大体上記が多いかな〜と思うんですが、個人的には上記はもちろんあった上で!ドラえもんのび太、しずか、ジャイアンスネ夫の5人が何か物語の中で進展や掘り下げが欲しいのです!

原作者がいない今、無茶苦茶ハードルが高い要望してるなと自分でも想いますが‥

映画ドラえもんは魅力的なサブキャラもたくさん出ますが、結局はドラえもんたちの活躍を見たくてドラえもんを見てるんですよ。

サブキャラが魅力的でも、それはのび太たちが魅力的に見えるためのキャラクターじゃないと!!

振り返ってみると、藤子・F・不二雄先生作の大長編ドラえもんは少なからずその要素が必ずあったように想います。

 

声優陣総入れ替え後のオリジナル脚本映画ドラえもんは、サブキャラだけで成り立ってドラえもんたちがサポートに回るような話が多くて物足りなかったんだろうなあと

 

ひみつ道具博物館、絵世界物語は、ドラえもんのび太の関係性を改めて掘り下げているのが堪らなく好きなんだと思います

 

その目線で言うと、宝島、新恐竜なんかも結構好みなんだよな〜でもそこに全力すぎて物語の展開が雑なところが気にならなくもない‥バランスが難しいんだろうなあ‥

映画ドラえもん製作陣の皆様には頭が上がりません

 

夢をかなえてドラえもんの復活

今作を語るにあたり、オープニングについてを語らない人は居ないでしょう。

暫く映画ドラえもんで流れなかった「夢をかなえてドラえもん」が、今作オープニングとして六年ぶりに復活しました!!

いや、6年振りて

いややっぱりあるのとないのじゃ「始まった感」が違いすぎる!

大山ドラえもんから歴史、「ドラえも〜ん!」というのび太の叫びから始まるオープニング、これが流れるだけで自分の中の子どもの心が奮い立つんですよ!

思えば声優交代直後の「のび太の恐竜2006」でも、「ドラえも〜ん!」という叫び声はなくなって悲しい思いをしましたが、次年の寺本監督作品「のび太の新魔界大冒険」では復活したんですよね。

さすが寺本監督!!今回もきっとやってくれると信じてた!!!

 

あと、細かく言うと、「ドラえも〜ん!」からオープニングのイントロが流れるのではなく、一旦映画タイトルロゴがバーンとBGMと共に出てきてからオープニングが始まるのもちょっと違うんですよね

やっぱり、「ドラえも〜ん!」から即座にオープニングのイントロが流れて、盛り上がるところでタイトルロゴバーン!がホント盛り上がる!!

 

今回はもう完璧!求めていた映画ドラえもんのオープニングでした!

今作のテーマ「絵」をモチーフに、いろいろな絵画の中にドラえもん達が遊びに行くというコンセプトがみていて楽しいこと

なにより、最後はドラえもん原作漫画の中に入ってから、恐らく視聴者に「入り込みライト」を浴びせて、「君たちも映画の中においでよ!」と言ってるかのような描写でオープニングが終わるのも見事でした!

もうこれだけで映画ドラえもんを見たかいがあるというものです

来年からもほんとお願いしますよ本当に

 

ちょっと気になった要素

基本ベタ褒めなんですけど、そればっかだとなんだか映画関係者の回し者みたいなので、個人的に気になったところも少し‥

いや映画関係者になれるもんならなりたいところですが

 

①序盤のクレアの工事現場ピタゴラスイッチ

寺本監督のギャグ描写は好きなのですが、これ人間がやるには有り得なすぎるだろ‥という描写は少し冷めちゃうんですよね

いや、原作もこれしたら死ぬだろって描写はもちろんあるんですが‥

自分の中できっと独自のドラえもんのリアリティラインがあって、それを超えてたのかなぁ

多分大山ドラえもん末期を思い出すギャグ描写が苦手なのかも

といいながら、このギャグ描写もクレアが人外だったことの示唆の伏線だったら恐れ入ります

その可能性があるから困る、今作はしずちゃんのお風呂も「実は水が苦手」であることの示唆してるシーンでしたから‥これはあとから気づいて驚きました、いやあすごい

 

②滅亡する運命にあるアートリア王

今作は絵世界だと思いきや、火山噴火で歴史に残らなかった過去の世界であることが一つの物語の味噌になるのですが‥

ちょっとその設定無理がない?っていうのと、結局滅亡する運命については特に何もせずふんわり終わったのが気になりました

特に、ドラえもんなら滅亡すると分かってるなら、歴史に影響のない範囲内で何かしら救いがある未来を残すべきじゃなかったかなと

いや、滅亡するのがかなり好きかもしれないし、火山噴火の前に住人は移住したのかもですが

この国の住人の未来を考えると、なんだかなーとちょっと思ったり

 

③ゲスト声優

多くは語りません

 

 

終わりに

思いつくまま書き殴った駄文なので、精査も構成もなく長文になって申し訳ございません

読みにくかったろうと想います

ここまで読んでいただいた方いらっしゃれば、感謝しかありません

 

好きなものを大好き〜って思って描いてましたが、想いだけは伝われば幸甚です

 

今作は手放して万人にオススメできる映画ドラえもんです!気になってる方は是非劇場で観てほしい!

こういう映画ドラえもんがスタンダードになってほしいと切に思います。

 

それにしても‥

今作、あまりにも寺本監督のセルフオマージュが多かったのと、今までの寺本監督作品のすべてを出し切った集大成感がしました。

寺本監督‥ドラえもんを卒業するのか‥?

映画作品のみならず、ころばし屋、魔女っ子しずちゃん等TV版担当回のネタまで大盤振る舞いってなかなかできることじゃないですよ!

ドラえもん45周年記念作だからかもですが‥

 

声優陣総入れ替え後からずっとドラえもんに携わってる功労者なので、できればまた映画を作って欲しいのですが‥

 

おしまい