はるかぜのおもいで

日々諸々記録故。日々気の向くままに描いた漫画やイラストの備忘録。ドラえもん、カービィ、高木さん、ポケモン多目。時々ディズニー。

【のび太の新恐竜】映画の感想(後編)【映画ドラえもん2020】

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前編記事の前編から、かなり時間が空いてしまいましたが‥

映画感想の後編です  

 

時間が空いた理由としては色々あるんですが‥

一回書いていた下書きが消えてしまったり、他の方のどちらかと言うと批判的な感想が話題になっていたり、 というかプライベートが割と忙しかったり、 そもそも前編で新恐竜の好きな部分を書き連ねたため、後編は好きじゃない部分を書かざるを得ず、 それってネット上にあげる記事としてどうなんだろう‥? と思いうだうだしていたら、1ヶ月以上経ってしまってました

 

さて、のび太の新恐竜は、コロナや公開延期の影響で、 観客動員数は近年としては少ない結果になりそうです

が、観た人の反応や感想の応酬は近年でも一番活発だった印象です

まさに賛否両論、映画ドラえもんの感想記事がネットニュースになったことなんて 今まであったでしょうか?

あったとしても、そこまで話題になってなかった記憶です

話題になったことが良かったのか悪かったのか、 中にはこの映画を見てない人まで「最近のドラえもんは〜」とレッテル貼りをしている方も見受けられ それはどうなの、と思わなかったといえば嘘になりますが、ドラえもんを普段見ない人にも認知されていたようでした    

 

なぜここまで話題になったのか?

今風に簡潔にいうと、おそらく 「解釈違い」の一言に尽きるのではないかと思います   こんなのはドラえもん映画と認めることはできない と思う人が多い映画だったんだろうなあと  

なので、映画ドラえもん本編でなければ、恐らくもっと評価されていたんじゃないかと思っています

本編か本編じゃないかって、そこまで重要かと疑問に思う方も多いと思いますが、 いやこれはかなーーーり大事な話なんですよ

個人的見解ですと、年季の入ったドラえもんファンであればあるほど、 本編かどうかって重要視されていると思います    

何故って、今までの長いドラえもんの歴史の1ページに刻まれてしまうから 今後映画ドラえもんを語る際、かならずドラえもん映画の一つとして認識されてしまうから

ドラえもんにそこまで明るくない人が、 たまたまのび太の新恐竜を見た時、 映画ドラえもんのスタンダードとなる印象が「新恐竜」になる可能性があるわけです

 

  僕個人としては、 前編でも書いた通り、のび太の新恐竜はエンターテイメント映画として、 完成度の高い面白い映画だったと思います

でも、ドラえもん映画としての面白さがあったかと言われると、 なんとも言えないです

その「ドラえもん映画としての面白さ」には 正解なんてなくて、人によって様々だと思います

それでも、新恐竜に限っては 「ドラえもん映画としての面白さ」を感じる方が少なかったのではないでしょうか

つまりは、映画ドラえもんって面白いよね、こう言うところが面白い! という話題になった時、新恐竜をベースとして語られたら いや‥他の映画ドラえもんの面白さはそう言うところではないんです‥って言いたくなりそうだなあ という印象でした     

先にも書きましたが、僕が一番恐れているのは この映画だけを見た人(もしくは感想だけ齧った人)が 「最近のドラえもんは昔に比べて〜」とレッテル貼りされることです

そうなると、 ちがう!ちがうんだ!今のドラえもんはたしかに変わってしまったところもあるけれど、 昔から変わらない面白さもちゃんと持っているんだ!! と叫びたくなっちゃうわけです

   

ネットの感想でよく新恐竜と比較されがちな 「のび太の月面探査記」が否定意見が少ないのは、そういうところだと思います    

つまりは、月面探査記は、映画ドラえもんらしさがちゃんとあったのです ここでいう映画ドラえもんらしさとは 「藤子・F・不二雄先生が書きそうな脚本だった」という意味になります

これは脚本担当が自他共に認める、大の藤子F先生ファンだったのが大きいかと

起承転結の構成、着眼点、伏線の回収の仕方が見事に王道の映画ドラえもんらしさがありました

‥個人的には、あまりに藤子F先生らしさを意識しすぎていて、月面探査記は他の映画ドラえもんとの既視感が強かったので 好みとしてはそこまで高くはなかったりするのですが

月面探査記みたいな映画がずーっと続くと、恐らくマンネリ化する気がするのです。 変わり映えが無さすぎて

往年の藤子F先生他界後の、南海大冒険〜ロボット王国辺りまでの映画ドラえもんのような‥

でも、ドラえもん初心者に月面探査記と新恐竜どちらを勧めるかと考えると、月面探査記になるかなあ    

そう思うと、映画ドラえもん製作は困難を極めるんだろうなあと改めて思った次第です  

ドラえもんらしさから逸脱せずに守りに入ると、そもそもドラえもんらしい脚本は藤子F先生しか作れない、劣化版になるといわれ

新しいことを取り入れ攻めた展開にすると、こんなのドラえもんではない、冒涜だといわれ    

その匙加減が難しいですよね、恐らく正解はないんでしょうが

僕の好みにはなるんですが、その匙加減がピカイチだったのは 「新のび太の日本誕生」でした

リメイクなので、脚本はドラえもんらしくなるのは当然なんですけどね

元の脚本を補完する内容を追加し、現代らしくアップデートしつつ 「のび太の壮大な家出」という部分をフィーチャーして映画の結末に繋げたのは見事と言う他ないです

そう思うと映画ドラえもんの王道展開から大きく外れたのに、ドラえもんとして許容された 「ひみつ道具博物館」はすごいですね

新恐竜と何が違うのか悩ましいところですが 新恐竜に愛がないとは言いませんが、ドラえもん愛の度合いがちがうのかなあ

なんというか、越えてはいけないラインをわきまえているというか

新恐竜は製作陣(というか監督?)の冷静な目線が見えてしまうのは僕だけでしょうか こう言う展開にしたら感動するだろう?こう言う展開が見たいんだろう? みたいな

ひみつ道具博物館は、どちらかというと 製作陣が、こう言うのが好きなんだー!と思いながら制作している光景が浮かびます

どちらの目線も重要なファクターだと思うんですけどね    

 

‥繰り返しますが、僕は新恐竜は映画ドラえもんの中で上位に入るくらいには好きです  

 

これがドラえもんズのような同時上映だったら評価が違ってたんだろうなと思うと 実に惜しい‥!  

 

過去、生粋のドラえもんファン、藤子Fファンからはドラえもんズもこれはドラえもんではない!と言われていたらしいですが 同時上映の「外伝」だったからこそ、今もなおファンがいて、愛されているのだと思います

 

  色々書き連ねましたが、今回の映画の賛否を見ている中ですこし思ったことは、 本記事で何度も、ドラえもんらしさを連呼している私が言うのもなんですが、 ドラえもんという作品を神格化している人が多いんだなあと思いました

良くも悪くも

ーこれは、考え方は必ずしも人それぞれですので、僕の意見は絶対とは全く思っていないのですが 藤子先生が絶対にやらなかったことを、今のドラえもんに採用してはいけないかと言われたら 僕はそんなことはないと思っています

時代は変わっていっていますし、時代にあった作品の見せ方があると思うので

もちろん、僕にも譲れないドラえもん感があるので、これは違うだろう!と声を大にして批判したいこともあります ‥SBMドラえもん2ののび太が結婚式から逃げるとか‥(予告だけの情報なのでまだわかりませんが)

でも、ずっと代わり映えのないドラえもんを続けるには限界がありますし、 例えば、恐らくですが、藤子先生じゃない方が「のび太の創生日記」や「のび太のブリキの迷宮」みたいな作品を発表していたら かなり賛否が激しくなっていたと思います

原作者だからこそ許される展開ってありますよね、映画作品の評価の上で難しいところです

やっぱり色んな人は色んなドラえもん感・キャラクター像をもってドラえもんを見ているわけで    

 

今回の新恐竜で、一番批判の多かった展開は(ネットでざっと見る限り) のび太のスパルタ根性論の正当性だったような気がします  

 

ドラえもんという作品は(書き方が正しいかわかりませんが) 弱者に寄り添い、許容し、そのままで、ありのままの自分で良いと安心感を与えてくれる作品と感じている方が多いみたいで、

今回ののび太がキューに対する、頑張れと自分を変えることを強要する展開を受け入れられないという意見が多かったです

果たしてドラえもんってそういう作品なんでしょうか

僕はドラえもんの短編の中でも「森は生きている」が大好きです

だからかもしれませんが、 ドラえもんは、弱い人の気持ちをわかってくれて、寄り添い、でも辛いのは自分だけじゃないから頑張ろうよ!ゆっくりでもいいから変わっていこうよ!ってエールを送ってくれる そんな作品だと考えてます

Twitterにも書いたんですが、 藤子F先生は所謂「サンタは絶対いないけど、いたら素敵だねいたらいいよね」っていう作品を作る方だと思うんですよ 個人的に「現実は頑張らなくてもいいんだよ」っていうより、「現実は頑張らなくちゃいけないし辛いけど、君だけじゃないから自分のペースで根気よく頑張ろうよ」って励ますイメージです

藤子F先生は、夢いっぱいのファンタジー作品を書きますが、誰よりも冷静に現実を見ている方だと思うんです だからこそ、夢いっぱいの作品を描けるんじゃないかと

なので、のび太のスパルタ根性論はそんなに違和感なく見れました

そもそものび太くんって本来、普段は小学生らしい自分勝手なやつだと思ってます 本質は、もちろん人に寄り添える優しい少年なんですが

これも解釈違いによる作品評価の誤差なんだろうなあ

国民的アニメで視聴者が多岐にわたるための弊害‥とまではいいませんが、 みんなそれぞれの自分のドラえもんがいるんだろうなあ    

‥取り止めのない長文となってしまいましたが、新恐竜はおすすめですよ

おすすめとなるポイントは感想記事前編をどうぞです

ただ、新恐竜をドラえもんの本来の面白さと思ってほしくはないかなあ なんというか、キャラクターやビジュアルに重きに置いた同人作品な印象がありますね

それを許容できるかどうかが、この作品の評価が大きく変わると思います

   

 

最後に、 個人的には、のび太の新恐竜の川村×今井タッグには、是非ドラえもんのミュージックビデオを作って欲しいです

ちょうど川村元気さんがプロデュースした、かなり評判の良かったポケモンのミュージックビデオのような‥    

さて、毎年恒例の予告動画も映画の最後にありましたね

来年(春?夏?)は満を辞してのアレですね‥ しかし何よりハードルの高い作品になるんじゃないかなあ

だってあれってあれありきの評価なところあるじゃないですか

果たしてどうなるか‥

来年も楽しみです。 毎年のドラえもん映画が楽しめるって実はとても幸せなことだと 今回のコロナで感じましたね‥    

それでは次の記事から本ブログは通常営業に戻ります

ではでは